CAE技術 軽量化とNV性能を両立するエンジン骨格構造最適化

規制対応や商品性向上のため、さらなるエンジン放射音の低減が求められていますが、コストや重量の観点から吸・遮音材のみによる対策には限界があります。
特性値ベース最適化では、エンジンバネマス特性を高速に最適化することでエンジン構造変更による振動・放射音低減効果の検討を簡便かつ効率よく実施し、吸遮音材に依存しないエンジン放射音対策構造の検討を実現します。

超高速なエンジン実稼働振動シミュレーション

従来のエンジン実稼働振動シミュレーションに対して100倍以上高速かつ振動分析が容易な独自の計算原理(特許取得済)を開発し、エンジン振動解析ソフトウェア『ESTECH.PS-X』に実装しました。
PS-Xを用いることで、従来は困難であった広範なパラメータースタディやパラメトリックな最適化が可能となりました。

エンジン動特性のチューニング

モーダル差分構造法(MDS)によりエンジン各部位の有限要素モデルをモード座標変換し、各部位のヤング率や質量密度に相当するモード特性を得ます。このモード特性を用いることで、ごく短時間でエンジン各部の剛性や質量を変化させたアセンブリ動特性が得られます。
上記のPS-XとMDSを組み合わせることで、数百から数千パターン程度のエンジン動特性を2~3日程度で評価でき、現実的なタイムスパンで所望のエンジンNV性能を達成するエンジン骨格剛性や軽量化代が得られます。

関連ソフトウェア

外部発表・論文等

エンジン振動と質量を設計初期段階で最適化するための設計支援ツール/自動車技術会 秋季講演会/2017年

弾性振動に着目したパワートレーン連成振動解析/自動車技術会 秋季講演会/2019年

エンジン振動騒音低減のためのクランク伝達力寄与分析手法の開発/自動車技術会 秋季講演会/2019年

Modal Acoustic Transfer Vector(MATV)を活用したパワートレーン放射音低減検討/自動車技術会 秋季講演会/2020年